1.軍艦島からのニュース

先日、軍艦島の高層住宅が倒壊の危機にあるとのニュースを目にしました。日本最古のRC造(鉄筋コンクリート造)マンションとして知られる建築物です。世界遺産といえども、管理されずに放置された状態では老朽化を防ぐことができず、残念ながらこのままでは倒壊は避けられないようです。

しかしながら、ふとこんな疑問が湧いてきました。

 

・もし適切な管理がされていたらどうだったのだろうか?

・コンクリート造マンションの寿命は一体どのくらいなんだろうか?

・中古マンションを長期間保有し続けていて問題ないのだろうか?

今回は、コンクリート造マンションの「寿命」について掘り下げてみたいと思います。

2.技術の粋の結晶(軍艦島の概要)

“軍艦島(端島)は長崎港の南西18キロメートルの沖合に浮かぶ島。1890(明治23)年に三菱合資会社の経営で本格的な海底炭鉱として操業が開始された。その後人口が急増し、6回にわたって埋め立てながら拡張し、数多くの高層住宅が建てられた。最盛期には5300人ほどが暮らし、当時世界一の人口密度を誇った。

その後、エネルギー革命でエネルギー需要と採炭量が減少。1974(昭和49)年1月に閉山したことから無人島になった。2015(平成27)年に「明治日本の産業革命遺産」として世界遺産登録された。

崩落が進む30号棟は1916(大正5)年に建てられ、現存する日本最古の鉄筋コンクリート(RC)造の高層住宅といわれており、7階建て140戸が鉱員住宅として使われていた。”

ポイントとしては、以下の2点です。

 

・「1916年に建てた」 →築104年という驚愕の事実

・「1974年に炭鉱が閉鎖」 →46年間ノーメンテで放置

大正時代に当時の技術の粋を集めて造られた、日本最古のRCマンション果たしてこれまでに、どれだけの地震台風高波を経験したのでしょうか。報じられている通り、さすがに今となっては崩壊の危機に瀕しているとはいえ、その堅牢さと耐久性には驚かされます。

3.マンションの耐用年数(物理的寿命)

マンションの寿命について語るとき、必ず「物理的寿命」「経済的寿命」の両面から考える必要があります。

まずは物理的寿命、つまりは耐用年数ですが、法律上では鉄筋コンクリート造(RC造)や鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)マンションの耐用年数は「47年」とされています。

あくまで税法上ですが、47年で価値がゼロになるということになっています。それは減価償却する上での資産価値が無くなるということです。ついでに税法上の残念な話ですが、固定資産税的には資産価値ゼロになってくれません。築何年が経過しようとも、土地の評価額と建物の評価額によって決まる固定資産税を納めなければなりません。

マンションの実際の耐用年数について、国土交通省の「中古住宅流通促進・活用による研究会」の報告書によれば、鉄筋コンクリート造のマンションは、理論上120年、外装仕上げによっては150年も持つとされています。

最近では、200年の耐久性があるとされるコンクリートが開発されており、技術の進歩によって物理的な寿命はさらに延びていくことでしょう。適切なメンテナンスを施されたコンクリート造のマンションの物理的寿命は想像より遥かに長く、それが当たり前に100年と言われるようになる時代は近いかもしれません。

実際に最近、私自身が投資用に購入したマンションも、購入時点で築30年の物件でしたが、30年程のローンを組めております。つまり銀行側の見解として、最低でも築30年+30年ローン=60年を耐用年数と考えているということです。

現在一般的には、ローンの借入期間として設定できる年数は、「55年 – 築年数」と言われています。今後、コンクリート造マンションのさらなる耐久性が証明され、築50年の物件を30年ローンで購入することも一般的になる時代が来るかもしれませんね。

ところで、世界的に見ても日本が地震大国であることは言わずもがなです。そのため我が国の耐震基準は、過去の地震被害によってその都度見直され、アップデートされています。ですが、ワンルームマンションは間取りが狭く壁が多いため、地震にはかなり強いと言えます。

実際、東日本大震災時の倒壊事例はゼロでした。

従って、新耐震基準をクリアしているマンションで、耐震性能面の不安から建て直す必要がある(=物理的寿命を迎える)建物は非常に少ないものと思われます。

4.マンションの経済的寿命

次に経済的寿命について書いていきます。

経済的寿命とは、耐久性云々ではなく「需要」の問題です。人々から必要とされなくなったときに、そのマンションは経済的寿命を迎えるとも言えます。

軍艦島のマンションも、炭鉱が閉鎖されたことに伴い経済的な寿命を迎え、その後放置されるようになりました。

この経済的な寿命は、投資用マンションを選定する際には特に注意すべき点です。つまり、入居者に選ばれ続ける物件でなければ、建物自体に何ら不具合がなくとも先に経済的寿命を迎え、収益が得られなくなる可能性があるということです。

経済的寿命を左右する最も重要なポイントは、立地エリアです。そしてそれは、将来を見据えて判断する必要があります。

例えば、一つの企業や大学の動向で需要が大きく変化するような立地では、今は良かったとしても、企業やキャンパスが移転した途端にゴーストタウン化するようなリスクがあります。逆に言えば、好立地で適切なメンテナンスが施されている物件であれば、経済的寿命を迎えることなく、いつまでも収益を上げることが出来るということです。

5.中古マンションの長期保有は得策か?

経済的寿命を延ばすために必要なもう一つの重要な要素は、適切なメンテナンスです。分譲マンションの修繕や建て替えなどの意思決定は、管理組合の決議、つまり所有者による話し合いによって決まります。

ファミリータイプの物件では、所有者=居住者である住戸がほとんどです。

居住者同士の利害が一致しなかったり、特に近年は居住者の高齢化により、その意思決定がなかなか進まず、必要なメンテナンスに遅れが出るなどの問題点が指摘されている物件も存在します。

逆に、投資用のワンルームマンションの場合は、所有者と居住者が異なる場合がほとんどです。

オーナー間では「収益性」及び「費用対効果」というベクトルを基本的に共有できているため、意思決定のプロセスが比較的スムーズと言えます。

まとめ(マンションの寿命)

 

・物理的寿命→新耐震基準のワンルームマンションであれば心配不要

・経済的寿命→確かな立地と適切なメンテナンスが必要

上記の理由から、コンクリート造のマンションを購入するにあたっては、物理的寿命を気にする必要はほぼありませんから、結局のところ経済的寿命次第ということになります。

特に、私がご紹介しているような好立地の厳選された物件であれば、その経済的寿命リスクついても入念な検討がなされているため、長期に渡って保有し続ける方が得策と言えます

また、賃貸管理を入居率98%以上という高レベルで維持している提携不動産会社の販売物件であります。そして、基本的に提携不動産会社の販売した物件の賃貸管理は、そのまま自社で行います。

つまり、経済的な寿命の短い物件(入居者付けに苦労する物件)を安易に販売することは、自らの首を絞めることになりかねないのです。逆の言い方をすれば、当初から賃貸管理を見据えて仕入れを行っているということにもなり、その観点から見ても経済的寿命リスクの低い物件との判断ができます。

正直なところ、日々多くの物件を見ている私たちからすると、長期保有をお勧めできる物件というのは限られます様々な観点から十分な検証が必要です。

しかし、そういう優良な物件を購入することができれば、それはご自身だけの話ではなく、お子さまやお孫さんの代にまで引き継げる、家宝とも言うべき確かな資産となり得るでしょう。

ご自身の将来のために購入したワンルームマンションが、子供や孫の老後や人生を支える安定収入になる。もしかしたら子孫が銅像建ててくれちゃうかも?そんな夢のある未来を想像したら、ワクワクしませんか?