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スペインベーシックインカムの内容

それほど話題になっておりませんが、スペインでベーシックインカムが導入されました。驚きの早さでした。さすがですね。同じ先進国でもこうも違うのかという感じです。内容については、報道の情報しかございませんが、以下の通りです。

一人暮らしの成人には月額約5万5000円の所得が保障

家族の場合は成人か未成年かにかかわらず一人当たり月額約1.7万円が加算

世帯当たりの所得保障上限は月額約12万円

どの世帯にも年間平均約120万円の所得が保障

支給は他の収入に合わせて配分。低賃金の仕事を持つ人は最低所得基準に合わせる形で給与に上乗せ

約85万世帯、合計230万人が恩恵を受け、うち3割が未成年の見通し

来月に約10万世帯への支給開始。制度の為に必要な予算は約3600億円と推計

意外と少ない?

ベーシックインカムの実施として内容を見た感想としては、意外と少ないですね。対象者もそうだし、必要な予算額も少ないです。金額についてもそれ程ですし、最初の印象としては日本の生活保護と何が違うんだろう?今までスペインに生活保護なかったのかな?という感想でした。日本の生活保護は後ほど深堀するとして、ベーシックインカムというより生活保護や貧困層政策最低時給政策のようなものでしょうかねぇ。

特にこれまでの社会保障制度を変更せず、救うべき所に焦点を当てただけなので、スピード成立したのかもしれませんね。何ともベーシックインカム導入事例として評価できるのか分かりませんね。まぁ、この内容ならベーシックインカムの看板に偽りありという事も出来るので、大きな社会変革も起きないのでしょう。期待する所としては、これでスペインの治安が少しでも良くなり、安心して旅行出来る国になるといいなという事でしょうかね。行ってみたいなぁ。

日本の生活保護と何が違う?

さて、日本の生活保護と何が違う?って事ですが、そもそも日本の生活保護についてあまり理解しておりません。なので、詳しく書いてあるページを探してみました。こちらの方が素晴らしいですね。制度は複雑に作りこまれているので、ざっくりと解説すると以下の通りです。

生活保護受給者は209万人(日本人口の約50人に1人は生活保護を受給)

生活保護で受給される金額は平均10〜20万円

収入状況をケースワーカーに報告するのが必須など、様々な制限がある

生活保護の受給条件(4つ)

・資産をもっていない人

・働くことができない人

・他に利用できる公的制度がない人

・親族からの支援が受けられない人

生活保護には8種類の扶助(主に生活扶助と住宅扶助)がある

不正受給は許されない

東京都23区内に住む25歳の男性の最低生活費は約13万円(収入があれば引いた額を支給)

もしかしてスペインより良い?

国も違えば物価も違いますので、何とも評価しにくいのですが、(正確には物価の比較をすればいいのですが、割愛)ベーシックインカムという名の生活保護ですね。報道に釣られたのか、スペイン政府のイメージ戦略に騙されたのか分かりませんが、一律支給ではなく対象者限定ですので、テストケースとは言えないでしょう。

でも、制度設計のスピード感だったり、給与にプラスして支給するなど、日本にはない部分もたくさんありました。そして、日本の制度のきめ細かさは、素晴らしいですね。ちょっと見ただけでも複雑で、そりゃ申請も面倒そうだし、申請を受ける側も大変ですね。お役所の皆さんも人員が限られているし、大変な仕事をしているのは容易に想像できます。

前回の投稿で、行政の効率化など、メリットデメリットは書きましたが、どうにか行政の皆さんがうまく頭を使って、ベーシックインカム導入しなくても業務効率化してもらいたいものです。きっと現状では不正を見破ろうとか、一生懸命やった方が忙しくなるだろうから、どれくらい現場に士気があるかによってでしょうか。見逃されている部分は出てきてしまうのではないでしょううかねぇ・・・。

やっぱり、自らの資産運用でベーシックインカムの様な副収入を作るほうが精神的に穏やかな気がしませんか?