何だか気になっちゃうCMってありませんか?

最近のCMでは、子供がおじいちゃんと賃貸経営について早口で話をしているCMがあり、何だか違和感からか、気になってしまいます。

そのCMで出てくるのが「サブリース」という言葉です。

インパクトのあるCMで、子役の女の子とおじいちゃんの顔芸の印象が残りますが、ご存知でしょうか?

「サブリース」で安心、悩みも解決といった内容ですが、余り鵜呑みには出来ません。他のサービスにも言えることですが、業者側に有利な仕組みになっているので、良いことばかりではございません。

CMはアパート経営者向けのCMでしたが、マンション投資においても、サブリース事業を行っている不動産会社はございます。

まさに、先日ご相談した方が、「サブリース付き」ワンルームマンションを所有しておりました。その物件のサブリース契約について調べていくと、メリットもあるけどデメリットもあるものでした。

業者側の説明によると安心と思って契約したようですが、実際どうでしょうか?

マンション投資において、サブリースが必要かどうか、判断するポイントを明らかにして参ります。

このコラムで分かること

1.サブリースとは

2.サブリースのメリット

3.サブリースのデメリット

4.サブリース新法とは

5.まとめ

1.サブリースとは

一括借上げという制度です。

不動産会社がオーナーから不動産物件をサブリースで借り上げ、運営・管理を引き受ける賃貸システムになります。

オーナー側の目線から簡単に言うと、家賃の1割程の手数料を支払うことで、手間無く確実に家賃が入る仕組みです。

オーナーと不動産会社との契約になりますので、入居者の入退去に影響されず、空室があろうが、滞納があろうが関係なく、契約額の家賃が毎月確実に入って来る形になります。

不動産会社は、実際の入居者からの家賃との差額や更新料などを収入源としております。また、土地活用でアパート経営を提案してくる不動産会社であれば、ノウハウの提供や建築費用からも収益を得ることが出来ます。

オーナー側にとっては、大手の経営サポート+家賃保証という制度があるのは魅力的で安心材料となっております。

本来であれば、オーナーにとっても不動産会社にとってもメリットのあるシステムなのですが、サブリースにはトラブルが多いのが現状です。

「かぼちゃの馬車」事件を覚えていらっしゃる方も多いかと思います。

もし、サブリース付きの物件を所有されている方でしたら、契約書をもう一度ご確認してみてはいかがでしょうか。不動産会社とって有利な条項がございませんでしょうか?サブリースって本当に必要なのでしょうか?

サブリースのメリットについて、挙げてみます。

2.サブリースのメリット

・家賃収入が安定する

家賃収入が一定額で安定致します。空室という概念がなくなりますので、どんな立地であろうと、長期間空室であろうとサブリース契約に基づき、家賃が入ってきます。

不動産会社が貸主ですので家賃が滞納されることはありません。入居者の管理業務をしなくて良くなりますので、サラリーマンで時間がないオーナーにとっては凄くメリットがあります。

月々の家賃収入が確実に安定して入ってくるということは、大きなメリットになります。

・計算が楽になる

サブリース契約によって、年間の収支が分かり易くなります。収入はサブリース賃料だけになりますので、入ってくるお金は確定します。

支出は、ローン支払額も固定資産税も、大きく変動致しません。

退去時の基本的な原状回復費用もサブリース会社が負担する契約では、不定期の大きな出費は設備が壊れた場合のみになるでしょう。

給湯器やエアコンなどの設備の故障に備えておく必要はございますが、頻繁に壊れることはないので、収支が安定し計算が楽になります。

入居者募集する際の広告料や仲介料も不要です。

・設備保証付きのサブリース契約もある

さらに収支を安定させる方法に、オプションで設備保証を付ける方法がございます。給湯器交換などで多額の費用が発生しても保証されるため、安心です。

サブリース契約にプラスして手数料を支払う形になりますが、長期間の契約になるので、見極めは難しいかも知れません。

ある業者の例をご紹介致します。

通常のサブリース契約の月額賃料が96,000円の物件の場合、月額3,500円で設備保証付きのプランを選択できるようになっていました。

年間にすると42,000円となり、安くはありません。ですが、設備は消耗品ですので長期維持コストを平準化できると考えれば、安心かと思います。

次に、サブリースのデメリットについて挙げていきます。

3.サブリースのデメリット

・コストがかかる

サブリース手数料は家賃の1割から2割と言われております。

例えば、10万円の家賃収入がある物件をサブリースにした場合、オーナーの家賃収入9万円になり、差額の1万円がサブリースをしている不動産会社の収入になります。

サブリースをしないで賃貸管理を不動産会社に任せたい場合は、賃料の3%程、月額3,300円がワンルームマンションの賃貸管理料の相場となります。

家賃が5万円程なら大きな差額になりませんが、そのコストを払ってでも空室リスクをなくす必要性があるかどうか、物件の立地が大事になってきます。

例えば、東京の好立地で賃貸管理のしっかりしている会社のワンルームマンションであれば空室率は2%もありません。そのため、空室対策としてのサブリースは基本的に必要ないとされております。

サブリースを取り扱っている不動産会社も、「この物件ならサブリース契約付けなくても空室にならないので大丈夫ですよ」と教えてくれます。

逆に、サブリースの提案をされたら「えっ、入居者見つける自信がない物件なの?この会社(物件)大丈夫かな?」という印象になります。

・サブリースは長期安定ではない

2年毎の更新があり、家賃が減額される可能性があります。それどころか、契約解除される場合もございます。

長期で収入が安定するような説明を受けるのですが、実際は不動産会社も事業としてサブリースを行っていますので、常に空室が出るような物件の面倒を見続けてくれることはございません。

実際のサブリース付きの物件の収支予測表を見たことがあるのですが、50年間家賃収入がサブリース契約時の金額になっており、誠実な収支予測ではありませんでした。

都内の好立地のワンルームマンションといえども、新築時の8割程度までは家賃が下落しますので、家賃が下落するのは当然です。

入居者からの家賃収入が減るのであれば、サブリース契約金額が減るのは当たり前なのです。不動産会社はそれをわかっていますが、丁寧に説明しないで契約してしますオーナーが多いのです。

・礼金、更新料が入らない

本来であれば、賃貸借契約は2年毎の契約が多いので、更新時に更新料がオーナーに入ってきます。

更新料は家賃の1ヶ月分など契約書に記載がありますが、退去になった場合と更新された場合では、大きな差が生じます。

一般的に、居住期間が長くなると退去時の原状回復費用も高くなります。サブリースの場合、更新料は不動産会社に入りますので、退去時の原状回復費用を別に積み立てておかなければ成りません。

もっとも、所有物件がワンルームマンションの場合、学生や一般単身者は居住期間が短いので、余り更新料は期待できません。

日本賃貸住宅管理協会の調査では、入居者が学生の場合、98.3%が1年から4年で退去しております。一般単身者であっても81.3%となっており、一度更新してもらえれば良い方といえます。

つまり、ワンルームマンションにおいては入れ替わりが多いので、退去のたびに原状回復費用が発生する可能性を認識しておく必要がございます。

・解約が出来ない、もしくは違約金が必要になる

サブリース契約をやめたいと思った場合、契約書に書いてある方法で解約を申し込まなければ成りません。しかしながら、実際は不動産会社の方が有利な条項となっており、解約するのは困難です。

実際の契約書にはこのような文言で、オーナーからの解約を防ぐようにしてあります。

 

ア.更新拒否又は解約するには正当事由が必要である

イ.即時解約するには、6ヶ月分の賃料相当額を支払う

6ヶ月分の賃料相当額はかなりの大金です。不動産投資として考えると大きなマイナスです。

では、正当事由による更新拒否での契約終了は出来るのでしょうか。

実際に裁判となり判例が出ております。

判例によると、以下の①~④ような事情を総合的に見て「正当事由」の有り無しを判断するということでした。

 

①当事者双方の建物を必要とする事情

②建物の賃貸借に関する従前の経過

③建物の利用状況および建物の現況

④財産上の給付(いわゆる立退料)

何ともオーナーに不利な判例で、不動産投資初心者には酷な気もします。

一度結んだサブリース契約は簡単には解約できないので、契約時にしっかりと考えなさいと言うことでしょうか。

・売却時に高く売れない

サブリースが付いている物件を売却する場合、サブリースが付いていない物件に比べて高く売ることが出来ません。ワンルームマンションであっても、数百万円は売却時の評価額に差が出てきてしまいます。

悪質な業者の場合、新築物件をサブリース付けて売り、安く買い戻し中古で売るという仕組みで、収益を得ているそうです。

実際、ご相談者の物件で検証してみました。

新築ワンルームマンション購入から1年でしたが、他社の見積もりでは購入額の6割程が買い取り価格で、サブリースが付いていない場合は、1~2割買取額を増やせるとのことでした。

つまり、サブリース付き物件である事によって、数百万円も売却額が変わってきてしまうのです。これでは何かあった際にも借金が多く残り、売却することが出来ないですよね・・・。

4.サブリース新法とは

相次ぐサブリースにおけるトラブルを防止するために、2020年12月15日にサブリース新法が施行されました

内容としては、

 

ア.誇大広告の禁止

イ.不当な勧誘を禁止

ウ.重要事項説明(契約締結時の書面交付)

エ.サブリース業者の登録義務づけ

などが主な内容になっております。

この法改正による規制強化により、どの位トラブルが減るかどうか分かりませんが、悪徳業者が減り、オーナーがデメリットや変動リスクを理解して契約に至ることが期待されます。

義務違反した場合、業者への罰則もありますが、なかったことには出来ません。投資は自己責任となってしまうので、適切に内容を理解した上で、契約しなければ成りません。

分からない用語や、疑問点のある収支のシミュレーションを提示された場合、プロの専門家や投資に詳しい方に相談する事が大切です。

5.まとめ

サブリースという仕組み自体は、悪いものではございません。

メリットもありデメリットもありますが、オーナーと不動産会社双方にメリットがある契約が増えれば、不動産投資業界にとっても良いことです。

土地活用でアパート建設をサブリースと考えている方は、慎重に賃貸需要の見極めをする必要があるでしょう。マンション投資の場合はサブリースの必要性をしっかりと見極める必要があります。

サブリース新法が施行され規制は強化されましたが、オーナーの知識不足や情報不足につけ込む悪徳業者は必ずいますので、自己防衛をしなければ成りません。

また、サブリース新法の施行前にサブリース契約をしたオーナーの方もいらっしゃるでしょう。家賃の減額など問題が表面化してくるのはこれからかも知れません。

その時どう対処するかでもいいのですが、リスクへの備えは早くした方が時間的にも金銭的余裕が出てきます。

新築ワンルームマンション投資で不利なサブリース契約をしてしまった方は、今、しっかりと考えておかなければ成りません。是非、ご相談ください。

あなたの立場に立って物件を分析して、将来プランを立てる。それが「マンション投資で失敗する人をゼロに」するために活動する、我々が出来ることです。

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そのサブリース、本当に安心ですか?